医療ニュース個人的めも【2025/06-1】

https://it.impress.co.jp/articles/-/28043

血糖値管理の劇的な変化

以前は、血糖値を管理するために毎日2回、指先に針を刺して測定し、結果を記録するという、手間もストレスも大きいルーティンが日常でした。それが変わったのは、「FreeStyle LibreLink」というツールとの出会いです。

このシステムでは、腕に装着する小さなセンサーが2週間にわたり血糖値を自動で連続測定してくれます。スマートフォンで数値を確認でき、グラフで食事との関連もひと目で分かるため、自己管理がとてもラクになりました。さらに、注射だったインシュリン投与も、飲み薬に切り替わり、治療の負担は大幅に軽減されました。


通院先の病院でもデジタル化が進行中

定期的に通っている順天堂医院でも、この数年で多くのデジタル化が実現され、患者としての利便性は格段に向上しました。特に印象的だったのは以下の点です。

  • 電子カルテの刷新により、診療の質とスピードが向上。検査受付や採血も自動化され、検体にはバーコードが貼られるなど、ミスの防止にもつながっています。
  • 受付や保険証提示はマイナンバーカードの読み取りだけで済み、スムーズに。
  • **通院支援アプリ「MyHospital」**では、診察の順番確認、予約変更、リマインド通知まででき、院内での待機ストレスが大幅に軽減されました。
  • **クレジット後払い制度「あとクレ」**の導入で、診察後の会計をスキップできるようになり、時間を有効に使えるようになりました。
  • 薬の受け取りもスムーズで、アプリで順番がわかるためイライラがありません。
  • LibreLinkとカルテのデータ連携により、これまで紙で持参していた血糖データを自動で医師と共有できるようになり、管理の手間が省けました。

https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/acc691ef0b77a07191c1784abeae8c9da179f322

2. 政府方針と政策動向

政府は「骨太の方針2025」で医療・介護のDX推進を明記。全国医療情報プラットフォームの整備、電子カルテや電子処方箋の普及、PHR活用などを進める。医療DX工程表の見直しも検討されている。

3. 普及状況と課題

電子カルテの使用率は約62.6%にとどまり、高齢の医師ほど導入率が低い。電子処方箋の運用率はさらに低く、導入済みでも未運用のケースが多い。一方、東京都などで導入支援の取り組みも始まっている。

4. 医療IT・DX関連企業の動向

複数の企業が医療DX領域で活発に取り組んでおり、以下のような展開がある:

  • GMOヘルステック:「Web問診機能」の拡張により、非会員患者にも対応。
  • Sapet・ユカリア:AIを活用した患者向け情報提供で業務負担軽減。
  • PHCホールディングス:電子処方箋管理ソフトが2万施設以上に導入。
  • ZenmuTech:秘密分散技術で医療AIのセキュリティ強化。
  • FIXER:生成AIによる退院時サマリー作成支援やオンライン薬剤師支援。
  • eWeLL:訪問看護専用電子カルテ「iBow」を介護事業者へ提供。
  • DeSCヘルスケア:医療データの研究活用でMeDiCUと業務提携。

5. 注目される関連銘柄

医療DXに関連する上場企業として、以下の企業が取り上げられている:

  • ケアネット(医薬DX)、ジェイフロンティア(オンライン診療)、ソフトウェア・サービス(電子カルテ)
  • メディカル・データ・ビジョン(病院経営アプリ)、Ubicom HD、CEホールディングス(電子カルテ)
  • MRT(医療情報プラットフォーム・海外展開)
  1. 2024年、ロシアのサイバー犯罪グループQilinが英国の病理検査会社Synnovisにランサムウェア攻撃を行い、ロンドン周辺のNHS病院の病理検査システムが停止、数千件の予約・処置が中止された。
  2. 本件はランサムウェア攻撃が直接的に患者の死につながった初の事例として、国際的に大きな注目を集めている。
  3. 攻撃に使われたQilinの手法は「ダブルエクストーション(二重恐喝)」と呼ばれ、データの復旧と引き換えに身代金を要求し、支払いがなければ患者の個人情報を公開するというものだった。
  4. この事件は、医療現場のデジタル依存の高さと、サイバーセキュリティの脆弱性が患者の生死に直結する現実を明らかにした。
  5. 今後、医療機関にはサイバーセキュリティ対策の強化、職員教育の徹底、バックアップ体制の整備が求められ、規制や法的責任の強化も進むとみられる。
  6. 一方で、この危機は適切なセキュリティ対策を前提とした医療のデジタル化推進、すなわち医療DXの必要性を再認識させる契機にもなっている。
  1. 米国型の医療マネジメント(PBM=Pharmacy Benefit Management)
    PBMとは「薬剤給付管理」を意味し、米国の医療保険制度で広く導入されている仕組みです。PBM企業は、保険会社と連携して、薬剤の価格交渉、処方内容の審査、薬局ネットワークの管理などを行い、医療費の適正化を図ります。特定の薬剤の使用を制限したり、ジェネリック薬を推奨したりすることで、コストと品質のバランスを取る役割を担っています。
  2. 医療データがサイロ化し
    「サイロ化」とは、組織内の情報やデータが部門ごとに分断され、相互に共有されず孤立している状態を指します。医療の文脈では、病院・診療科・検査機関・薬局などがそれぞれ独自のシステムを持ち、患者の医療データが連携されないことで、情報の重複、連携ミス、非効率な診療が発生する問題を意味します。
  3. 「AI孔明」
    「AI孔明」は、企業や組織内にある膨大な知識(ナレッジ)を活用しやすくするために開発された、RAG(Retrieval-Augmented Generation)対応のナレッジAIです。名前の由来は三国志の軍師「諸葛孔明」にちなんでおり、知恵を引き出す存在としての意味合いが込められています。このAIは、社内データベースなどから必要な情報を抽出し、それをもとに正確で説明可能な回答を生成します。
  4. 生成AIの活用には「利便性」と「証拠性・統制性」の両立が不可欠
    生成AIの導入においては、単に便利に使えるだけでなく、「なぜその出力が導かれたのか(証拠性)」や、「企業としてその内容を統制・管理できるのか(統制性)」が非常に重要です。特に企業内利用では、誤情報の拡散や責任の所在を明確にするため、透明性と制御性を備えた運用体制が求められます。そのため、「IDX」や「AI孔明」のような基盤とツールを組み合わせて運用することが重要とされています。
  5. 企業データ基盤「IDX」
    「IDX(Intelligent Data eXchange)」は、企業内の複雑で分散したデータを一元的に収集・統合・管理するためのデータ基盤です。RAG型AIとの連携により、企業内のナレッジを正確に検索・引用できるようにする役割を果たします。これにより、生成AIの出力に裏付けを持たせ、誤情報のリスクを減らし、業務での信頼性ある活用が可能になります。
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