依存からの脱却こそ、真のアンチエイジング~まずは現状を知る

アンチエイジングとは、単に見た目の若さを保つことではなく、健康寿命を延伸し、認知機能や活力を維持することを意味します。この目標を達成するための重要な柱の一つが、心身の健康を蝕み、生活の質(QOL)を低下させる依存状態からの脱却です。

依存は、脳の報酬系に異常な学習をもたらし、慢性的なストレス応答の亢進炎症性サイトカインの増加を引き起こすことが、最新の医学研究で示唆されています。これらは全て、老化を加速させる要因(エイジング・アクセラレーター)となりえます。具体的には、依存は以下のリスクを増加させ、老化を促進します。

  • 慢性疾患のリスク増加(生活習慣病、癌など)
  • 睡眠の質の低下とそれに伴う認知機能への悪影響
  • 自己効力感の低下精神的健康の悪化

そのため、効果的な対策を講じるための第一歩として、まずは現在地、すなわち「どの依存症・依存傾向にあるのか」を特定し、その科学的なメカニズムを理解することが不可欠です。


依存の分類と自己分析の視点

依存は、その原因やメカニズムから、一般的に以下の3つの主要なカテゴリーに分類されます。これらの分類は、全て脳内の報酬系(ドパミン作動性経路)の機能異常という共通の基盤を持ちます。

ここでは、網羅性を確保した上で、ご自身の生活に潜む依存傾向を洗い出すための項目一覧を示します。このうち、◉となっている項目を次回の分析対象とし、ご自身の現状を深く見つめ直します。

分類項目医学的な根拠に基づく名称の修正・補足
化学物質による依存
(物質依存)
◉アルコールアルコール使用障害。中枢神経抑制作用を持つ化学物質への身体的・精神的な依存。
◉カフェインカフェイン使用障害。アデノシン受容体を阻害する化学物質への依存。離脱症状(頭痛・眠気)が特徴。
ニコチンニコチン依存症。ニコチンがアセチルコリン受容体を刺激し、ドパミンを放出することで形成される依存。
※人生で吸ったことなし。
薬物・オピオイド覚醒剤、大麻、処方薬(ベンゾジアゼピン系、オピオイド鎮痛薬など)への依存。
※人生で経験なし。
行動パターンによる依存
(プロセス依存/行動嗜癖)
◉インターネット特にSNSや動画視聴に起因するインターネットゲーム障害問題のあるインターネット利用
ゲームインターネットゲーム障害。国際疾病分類第11版(ICD-11)に登録されている疾患。
※大学時代は当てはまっていたものの、社会人になり反動で全くやらなくなりました。
ギャンブルギャンブル障害。DSM-5にも記載される行動嗜癖の代表例。
※人生で経験なし。
ショッピング強迫的購買(買い物依存症)。衝動制御の困難さが見られる。
※買い物の金額は波があるものの、許容範囲内。
ワーカーホリック仕事への過度な没頭。一般に疾病分類はないが、ストレスや健康被害を引き起こす。
※仕事はしたくないです。
スポーツ強迫的な運動。身体活動による快感や自己肯定感への依存。
※運動を積極的に行う方ではないです。それはそれで問題ですが・・
衝動による依存
(摂取・刺激嗜癖)
食べ物摂食障害(過食症など)やフードアディクション。特定の食べ物への渇望と制御不能な摂取。
※体型維持と活力を作る点に注力しており理性が働くため問題なし。
セックス強迫的性行動症。性的な衝動や行動の制御が困難になる状態。
※人生でほぼ経験なし。

以降の別の記事では、アルコール、カフェイン、インターネット(+就寝前の使用)について、現状の分析と対処法を検討していきます。

アルコール依存について

カフェイン依存について

インターネット依存について

ベッドに入ってすぐ寝ない

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