Impressions and evaluation
日常の歯磨き習慣に対する考え方が大きく変わりました。特に印象に残ったのは、スウェーデンでは80歳でも21本以上の歯を保つという事実です。これは、私たちが従来持っていた「歯磨き」の概念が健康維持においてどれだけ重要であるかを再認識させられるものでした。
まず、食べてすぐの歯磨きが実は逆効果であり、唾液を無駄にしてしまうという点には驚きました。唾液は再石灰化を促進し、歯を守る重要な役割を果たしています。そのため、食後すぐにガムを噛んで唾液の分泌を促すことが推奨されているのです。この点は、食事後の習慣を見直すきっかけになりました。
本書で強調されていた「食べかすとり歯磨き」と「プラークコントロール」の違いも興味深かったです。歯磨きは単に食べかすを取り除くためではなく、歯垢を除去することが主目的であることが強調されていました。デンタルフロスやワンタフトブラシを使い、歯と歯の間や歯の付け根のプラークをしっかり取り除くことが重要です。
また、歯磨きがエチケットの一環ではなく、命を守るための習慣であるという指摘も印象的でした。間違った歯磨きが血管の梗塞疾患のリスクを高める可能性があることを知り、口腔内の健康管理が全身の健康に直結することを痛感しました。
第3章以降では、歯科医院の役割や歯科業界全体についても触れられており、特にスウェーデン型予防歯科やデンタルエステの考え方は新鮮でした。これまで「歯科医院は歯が悪くなってから行く場所」と思っていましたが、むしろ免疫力を上げるために定期的に訪れるべき場所だという考え方には大いに納得させられました。
最後に、本書は単なる歯のケアに留まらず、健康的な生き方全般に通じる知識を提供している点が非常に良かったと感じます。現代ではホワイトニングや審美歯科が流行していますが、本書はそれ以前に刊行され、健康を基盤とした歯のケアに焦点を当てています。読み応えのある内容で、歯に対する新しい視点を得ることができました。
Impressive reviews from other watchers
Positive
タイトルそのまま通りに、本当に歯は磨いてはいけないのかと思ったらそうではなく、食後すぐに歯磨き剤をたっぷりつけて歯を磨いていはいけない、ということだった。加えて著者は、歯ブラシよりもデンタルフロスと歯間ブラシが主で、歯ブラシは副であり、歯磨きは夜寝る前と朝起きた直後に行うべしと主張する。また、寝たきりにならず健やかな老後を過ごすためには、歯を含む口腔内の健康を保つようにせよとも説く。それらの理由については、本書を読んでいただきたいが、とても説得力がありうなずける主張ばかりだった。私の近所にもこのような歯科医がいればな~と思った次第。
Negative
衝撃的な内容。
歯磨き粉をつけると歯の表面を削るので、白くならないし、口内の大事な成分も出してしまう。
後半が歯科衛生士の待遇面での意見だったりするので、誰に何を訴えたいかが正直分かりにくくなっていた。ということで3点にしました。