アンチエイジングのカテゴリーは、長らく以下でした。
・心理的要因
・身体的要因(内部:内蔵・血液など)
・身体的要因(外部:皮膚)
このうち、心理的要因を分解します。
分解単位は、
脳
精神
とします。定義は以下です。
・脳は
「物理的な器官」であり、構造や化学の変化によって老化する。
→ 神経細胞の減少、血流低下、伝達物質の変化など、目に見える生理的変化が中心。
・精神は
「主観的な経験や心のあり方」であり、心理的・社会的な影響で老化する。
→ 好奇心の低下、孤独感、目標喪失など、目に見えない価値観や感情の変化が中心。
【脳の老化:主に生理的・構造的変化に関する分類】
1. 神経構造の変化
• 神経細胞の減少
加齢により脳内のニューロンの数が減少し、情報処理能力が低下する可能性があります。
• シナプスの機能低下
ニューロン同士のつながり(シナプス)の効率が落ち、記憶力や学習能力に影響が出る。
• 脳の萎縮
特に前頭葉や海馬の萎縮が進むと、判断力や短期記憶に問題が生じやすくなります。
2. 神経化学的変化
• 神経伝達物質の減少
ドーパミン、セロトニン、アセチルコリンなどの量が減ることで、認知機能や気分に影響。
• 炎症と酸化ストレスの増加
慢性炎症や活性酸素の蓄積は、脳細胞のダメージを引き起こす要因となる。
3. 循環・代謝の変化
• 血流の低下
脳への血流が減ると、栄養や酸素が届きにくくなり、機能の低下を招きやすくなる。
• 睡眠の質の低下
加齢によって深い睡眠が減り、脳の修復機能や記憶の定着が妨げられる。
【精神の老化:主に心理的・社会的・価値的変化に関する分類】
1. 意欲・動機づけの変化
• 好奇心の減退
新しいことへの関心が薄れ、知的・感情的な活動が低下しやすくなる。
• 学ぶ意欲・挑戦意欲の衰え
新しい体験や成長の機会を避ける傾向が強まり、精神的な若さが失われやすくなる。
2. 自己概念・感情面の変化
• 自己肯定感の変化
社会的役割の変化や身体的衰えにより、自尊心が揺らぐことがある。
• 感情の調整能力の変化
年齢とともに感情のコントロールが成熟する面もあれば、うつ傾向が高まるケースもある。
3. 認知・柔軟性の変化
• 柔軟性の低下
価値観や考え方が固定化しやすくなり、新しい視点を受け入れにくくなる。
4. 社会的・存在的変化
• 孤独感や疎外感の増加
社会的接点が減ることで、精神的なつながりの欠如を感じやすくなる。
• 人生の意味や目標意識の希薄化
リタイア後など、目的の喪失によって精神的活力が低下することがある。